妻と一緒に混浴へ 第5話 仕切りの奥で
(前話はこちら)
仕切りの向こうからは、妻と学生たちの話し声がボソボソと聞こえてきます。
仕切りで隔たれており、かつ向こうとは距離もあるようで、会話の内容はあまりよくは聞こえません。
特に妻の声は、もともと小さいためなおさらです。
それでも少しでもよく聞き取れるよう、耳をそばだてました。
これから記す内容は、聞き取れた会話の断片を基に、前後の文脈から多少想像で補っている部分もありますのでご容赦ください。
話の内容は、この地方の話であったり学生たちの通う大学の話であったりなど、当たり障りの無い内容のようです。
特に性的な内容というわけでもなく、安心しました。
とはいえ若干気になったのは、学生たちが妻のことを名前にさん付けで呼んでいることです。
学生たちの妻に対する態度には気安さが滲み、いつも間にかかなり距離が縮まっているように感じます。
しばし他愛も無い話が続いていましたが、だんだんと話題の中心が妻のことになってきました。
「でも、○○さんって本当綺麗ですね」
「肌も瑞々しいし、ぶっちゃけ同級生の女子たちよりも若々しいですよ!」
「おだてるのが上手ね」
「いや俺たち本気で言ってますから」
学生たちが、妻の容姿を讃えています。
表情は見えませんが、妻の方も悪い気はしていないようです。
そして、この辺りから場の雰囲気が少し変わってきたように思います。
「でも午後に行った温泉では、感動しました」
「なんのこと?」
「だって○○さんの裸が見れたから」
「もう」
「いや本当に美しかったです!」
「マジで最高でした!」
学生たちが、○○温泉で見た妻の裸を絶賛します。
「実はここだけの話、我慢できなくてあの後、○○さんの裸を思い出して抜いちゃいました」
「俺もそうです」
「俺は2回抜きました」
「⋯みんなエッチなんだから」
会話の流れが、卑猥な内容になってきました。
「○○さんもせっかくなんだから、そろそろタオル取っちゃいましょうよ」
「温泉は本来裸で入るものですし」
「それに俺たちは裸なのに、○○さんだけタオルで隠しているのはズルいですよ」
学生たちが、次々と妻にタオルを取るよう促します。
「えー、恥ずかしいよ」
「でも、俺たち○○さんの裸もう見ちゃってますし、いまさらですよ」
「そうですよ、いまさら隠す必要なんてないですよ」
「⋯あんまりエッチな目で見ないでね」
一泊置いて、仕切りの向こうから歓声が沸きました。
状況から鑑みて、妻がタオルを取り全裸になったと考えて間違いないでしょう。
「○○ちゃんって、本当にスタイル抜群ですね」
「出るところ出ていて、引っ込むところは引っ込んでて、たまらないです」
「なんかすごくエッチな目で見られている気がするんだけど⋯」
「○○ちゃんみたいな素敵な女性が裸で目の前にいたら、男ならみんなそうなりますよ」
妻のほうが年上のはずですが、いつのまにかちゃん付けになっています。
「マジで○○ちゃんのおっぱい、形も色も最高です」
「もっと近くから見てもいいですか?」
「⋯あの、私は見世物ではないのだけど」
そうは言いつつも、妻の口調からはそこまで嫌がっているような気配は感じられません。
一方私の方は、急展開な状況を追うのが精一杯で、まだ頭がついていけませんでした。
そんななか、あと10分で入浴時間が終わるアナウンスが場内に流れました。
しかし、妻が全裸になったことで学生たちはヒートアップしており、湯から上がるような素振りは感じられません。
そこで私も時間の許す限り、引き続き様子を伺いました。