温泉誌のモデル 第1話 読者モデルの募集
私自身は特別温泉が好きというわけでもないのですが、妻が温泉好きで、次の休みには温泉旅行に行きたいと誘われていました。
そうしたこともあり、出張帰りに大型書店に立ち寄った際、温泉誌などが並んでいるコーナーに足を運んでみました。
棚には様々な温泉誌が並んでいたのですが、そんななかバスタオルを巻いたお姉さんが表紙のとある温泉ガイドが目を引きました。
というのもそのバスタオルを巻いたお姉さんの画像がなんだか少々エロティックに感じられたからです。
気になった私は、その本をパラパラとめくってみました。
本自体は真面目な温泉ガイドのようですが、だいたいどのページにも入浴中の若い女性の画像が掲載されています。
しかもその画像がちょっとエッチな感じで、タオルに巻かれた胸元や湯越しに透けてみえるお尻などについ目がいってしまいます。
直球のエロとはまた違ったエロティシズムが気に入った私は、その温泉ガイドを購入してみることにしました。
帰宅した私はさっそく自室でじっくりと誌面を見ていきました。
タオルで前を隠したモデルさんが多いですが、濡れて体に張り付いたタオルや覗く胸元がセクシーです。
またタオル無しで映っているモデルさんもけっこういました。
おおむね乳首やヘアがダイレクトに見えないアングルから撮影されていますが、さりげなく覗く横乳やお尻などにエロスを感じます。
アンダーヘアを露出しているモデルさんこそいませんでしたが、よく見ると乳輪や乳首が見えてしまっているモデルさんもちらほらいます。
たとえば隠した胸元から乳輪がチラリと覗いていたり、温泉の湯越しに乳首が微かに透けて見えていたりするのです。
またなかには、ごく僅かながら堂々とおっぱいを露出しているモデルさんさえいて驚きました。
そのほか直接は見えていなくても、タオル越しにうっすらと乳首らしき影や形が浮かんでいたりするモデルさんもいます。
さりげないエロスやチラリズムなど、一般紙の範囲内でエロティシズムにこだわった誌面に感心しました。
ストレートなエロよりも、むしろこうしたフェティッシュな趣向に魅力を感じる人も割といるのではないでしょうか。
温泉情報ではなく、画像目当てに購入している読者も実は多いように思います。
最後のページには、読者モデル募集の告知が載せられていました。
どうやらこの本に出演しているモデルさんは皆、応募してきた読者モデルの方のようです。
謝礼が出るとはいえ、ごく普通の一般女性が自ら応募して出演しているかと思うとなんだかよけいにエッチに感じます。
その夜、私は妻に「こんな本があったよ」とその本を見せました。
妻はガイドブックをパラパラとめくると「わぁ、なんだかエッチだね」と呟きました。
やはり妻も私と同じ感想を抱いたようです。
私は妻と一緒に、再び誌面を見ていきました。
「あ、この温泉行ってみたいなぁ」
温泉好きな妻は、温泉情報もしっかりチェックしているようです。
一方私は、どうしてもモデルさんの画像の方に目が行ってしまいます。
「この人、おっぱい丸見えだね」などと横から口を挟むと、妻から「エッチな目的でしか見てないよね」と突っ込まれてしまいました。
「⋯でも、みんな大胆だね」
カメラの前で艶っぽいポーズをとっている女性たちに妻も感心(?)しているようです。
そんなこんながありつつ、私は妻と共に誌面を最後まで見ていきました。
「へぇー、載っているモデルの人、みんな読者モデルなんだ」
モデル募集の告知を見た妻は、少々驚いているようです。
そんな妻の様子を見ている内に、ふと、もし妻がこの企画に出演したらという考えが頭に過ぎりました。
「○○も応募してみたら?」
私は半ば冗談交じりに妻に提案してみました。
「え、急にどうしたの?」
妻は突然の提案に困惑しているようです。
シャイなところのある妻は、普段あまり人の前に出ることを好みません。
だからこそ、そんな妻がカメラの前で一肌脱いだらと想像するとよけいに興奮してきます。
だんだん私も、カメラの前でポーズをとる妻の姿を本気で見てみたくなってきました。
要項を見ると、謝礼はもちろんのこと、交通費や飲食費等すべて向こう持ちとのことです。
「タダで温泉を楽しめる上、謝礼までもらえるんだからお得じゃない?」
妻をその気にさせるべく推していきます。
「でもさすがに恥ずかしいよ」
「○○がモデルだったら、読者も興奮するだろうなぁ」
「もう、そんなわけないでしょ」
妻は謙遜していますが、まんざらでもなさそうです。
そんな妻の反応にますます琴線が刺激され、なんとしても妻をこの企画に出演させてみたくなりました。
「カメラの前でエッチなポーズしてる○○見たいな」
「もし仮に出演したとしても、そんなポーズとったりはしないからね」
「ならどんなポーズとるの?」
「どんなポーズって、⋯別に普通に温泉に浸かるだけだよ」
いつのまにか出演する前提で話が進んでいます。
「ならそれでいいからさっそく応募しよう!」
「でも、ただ温泉に浸かるだけだからね」
ついに応募してもいいという言質を得ることができました。
「ちょっとだけサービスとかは?」
「サービスとかそういうのはないから」
そんなことを妻と話しつつ、夜は更けていきました。
それから数日後。
夕食の席で私が妻に「モデル応募しといたよ」と告げると、妻はキョトンとした表情を見せました。
「ほら、例の温泉モデル募集の件」
「え⁉アレって本気だったの?」
「そうだよ、○○も応募してもいいって言ったじゃん」
「それはそうだけど、私てっきり⋯」
うすうすそんな気はしていましたが、やはり妻はモデルに応募云々の件は冗談だと思っていたようです。
とはいえ、こうしたことも実は織り込み済みです。
妻にはすでに応募したと伝えましたが、妻の反応を見るのが目的で、本当はまだ応募してはいませんでした。
もし妻が嫌がるようだったら、噓だと明かすつもりです。
しかし逆に乗り気なようでしたら、この後実際に申し込みをしようという腹積もりです。
「もしどうしても嫌なら、いまからキャンセルの連絡を入れてもいいけどどうする?」
「うーん⋯」
妻は逡巡している様子です。
温泉には行きたいけれど、裸になるのは恥ずかしいというところでしょうか?
妻は押しに弱いところがあるので、私は攻勢に出ました。
「まぁいい機会だし、もし採用されたら温泉を楽しんできたらいいと思うよ」
「⋯うん。まだ決まったわけじゃないし今から断るのもなんだか悪いから仕方ないね」
了承を取ることができた私は、さっそく妻の写真と連絡先やプロフィールを送りました。
もちろん応募したからといって必ず声が掛かる保証は無いのですが、贔屓目抜きに妻はかわいいと思うので、通る公算は高いと踏んでいます。