アダルト写真のモデル 第2話 初撮り
(前話はこちら)
私が出演を許諾したことで、撮影の準備が始まりました。
カメラマンさんがセッティングを進める様子を、私は緊張しながら見守りました。
「じゃあ、服を脱いで」
準備も整い、カメラマンさんが私に声をかけました。
もうここまできて退くことはできません。
私は思い切って着ていたものを全て脱ぎ、カメラの前に立ちました。
カメラマンさんの指示に従ってポーズをとります。
アダルト系といっても、過度に性的なポーズを要求されることはありませんでした。
体の向きや角度を調整をしたり、アングルを変えたりなどしながら、シャッターが切られていきます。
そんなことがポーズを変えて繰り返され、その日の撮影は終了しました。
時間にして30分にも満たないほどだったかと思います。
初対面の男性の前で、裸になるなど初めてのことです。
ポーズによっては、大事なところも見えていたかもしれません。
当然、恥ずかしい気持ちはありました。
しかし一方で、こんなものかと思う自分もいました。
撮影は淡々と進行し、こともなく終わりました。
アダルト撮影ということで覚悟していただけに、どこか拍子抜けした気もしたのです。
私とA子は、カメラマンさんに挨拶をしてスタジオを去りました。
後日、撮影した画像が送られてきました。
自分で言うのもなんですが、プロの撮影ということもあり、とても綺麗に撮られていました。
それに顔は隠れているので、私だということはわかりません。
これらの画像は、今後アダルト向けの媒体に掲載されることになります。
不思議と恥ずかしさはあまり湧かず、美しく撮られていることもあって、むしろどこか誇らしいような気さえしました。
その後も私は、不定期でアダルト写真のモデルの仕事を続けています。
仕事の内容は選んで、顔出しはNGで男優との絡みも避けて仕事を受けるようにしています。
それらを解禁すればもっと稼ぐこともできるけれど、それでも以前よりは生活にゆとりも出てきました。
なので当面は今のままでいいかなと思っています。
アダルト撮影を重ねていくなかで、撮影そのものを楽しむ余裕も出てきました。
最近は全部カメラマンさんまかせで終わらせず、自分からポーズを提案したり工夫したりもしています。
最初の頃の写真と比べると、体の表情が柔らかくなっているのが自分でもわかります。
私の写真を観てくれた人が、喜んでくれたり元気になってくれたら嬉しいです。