アダルト写真のモデル 第1話 仕事の紹介
大学在学中に、友人の紹介でモデルのアルバイトを始めました。
モデルの仕事といってもグラビアのような華やかなものではなく、私の場合は広告素材用のモデルなどが中心です。
時給換算で考えればさほど悪くはないのですが、常に仕事があるというわけでもなく、この仕事だけで十分稼げるというわけにはいきません。
そのため別にバイトもしながら、空き時間などを活用してモデルの仕事をしていました。
ある日、事務所で仲良くなったA子と仕事帰りに食事をしていたときのことです。
私がもっと稼げたらなとこぼしたら、A子が「いい仕事があるけど、どう?」と持ちかけてきました。
話を聞くと、なんとそれはアダルト系モデルの仕事だったのです。
私は最初冗談かと思いましたが、A子は真剣でした。
しかしいくら稼げるとはいえ、アダルト系にはやはり抵抗があります。
するとA子は、私に写真を見せてくれました。
写真には、綺麗に撮られた裸の女性が写っています。
しかし、顔は隠れているので誰かはわかりません。
「実は、これ私なんだ」
たしかに、体付きはA子のそれです。
なんとA子はアダルト系モデルの仕事もしていて、けっこうな収入を得ていたのです。
A子によると、アダルト系でも顔出し無しで男優との絡みも無い案件もあるとのこと。
A子の話を聞いた私が、心を動かされたのも事実です。
とはいえ、アダルト系に出演することにはためらいも感じます。
私の気持ちを聞いたA子は、「じゃあ、一度見学してみる?」と私を誘いました。
近々アダルト写真の撮影があり、もし見学してみて問題無ければ私も参加してみてはどうかとのことです。
私はまだ踏ん切りがつかないでいましたが、とりあえず見学だけならと了承しました。
そして撮影の日がやってきました。
私はA子と待ち合わせをして、目的地へと向いました。
撮影場所は、近代的な清潔感のあるスタジオでした。
アダルト系の撮影ということで、それっぽい空間を想像していた私は肩透かしを食らった気もしました。
A子は、さっそくカメラマンさんに私のことを紹介しました。
私もカメラマンさんに挨拶をしましたが、ごく普通の人の良さそうなおじさんでした。
挨拶が終わるとさっそく撮影が始まりました。
A子は特に物怖じすることもなく、カメラの前でサクサクと服ぎ、指示に合わせてポーズをとっていきました。
服を着ているかいなかの違いこそあれ、それ以外は普段の仕事とさほど変わらぬ様子です。
想像していたようなエッチな空気は、あまり感じられませんでした。
撮影は短時間でこともなく終了しました。
A子は服を着ると、私にどうするか尋ねました。
撮影も想像していたものとは違いあっさりとしていて、正直かなり気持ちが揺れていました。
ただどうしても最後の踏ん切りがつかないでいました。
するとカメラマンさんが、撮影のサンプルを私に見せてくれました。
どの写真もとても綺麗に撮られていて、卑猥な感じはしません。
女性ならば、こんな風に撮ってもらったら嬉しく思う人も多いのではないでしょうか。
それに顔は隠れているので、身バレの心配もありません。
この不況下で生活が厳しい中、稼ぎは少しでも増やしたいです。
私は迷ったすえに、アダルト写真に出演することを決めました。