安物の水着
大学2年の夏、所用で同じ学部の友人数名で遠方の街へ行く機会がありました。
用事を済ませ海沿いの道へ出ると、とてもきれいなビーチが目の前に広がっていました。
時間に余裕のあった私たちは、泳いで帰りたいねと話しました。
そこで、ビーチ沿いのお店で安い水着一式を購入しました。
ひと泳ぎし友人たちを見ると、なんとうっすら水着が透けています。
慌てて自分の体も確認すると、私の水着も同じく透けているのがわかりました。
どうやら水着の生地が薄く、濡れると少し透けてしまうようです。
他の子たちも、そのことに気付きました。
「どうする、もう上がる?」
「でも来たばっかだし⋯」
「これくらいなら、そんなに目立たないよね」
「それに海中なら、よく見えないし」
結局私たちは、そのまま海水浴を続けることにしました。
なかには、水着が透けていることに気付いた人もいたもよう。
目ざとい男子たちの視線を感じることもあったけど、気にせず夏の海を満喫しました。